日本では馴染みの薄い結婚式に”Trash the dress”(トラッシュ・ザ・ドレス)があります。ウエディングドレスを水や砂、泥、絵の具などでドロドロに汚し、時に燃やしたり破いたりする儀式です。ウエディングドレスを二度と着られなくすることで、最愛の夫への愛情と誠実さを伝えるのだそうです。その様子を撮影して写真や映像で残すことで一生忘れられない結婚式になるのは確かでしょう。
Trash the dress でどのようなことが行われるかは、冒頭のYouTube動画で確認してください。「風」「水」「大地」「火」といった章ごとに、汚されたウエディングドレスが次々と映し出されます。これらを観てどう思うかは読者さん次第です。ちなみに、以下の文章は、YouTubeから削除されてしまった動画を観た後の私の感想です。 Trash the dress を初めて知ったときの衝撃は今でも忘れられません。
ウエディングドレスを着た金髪美女と、スーツ姿のイケメン青年が海岸に立っています。風になびくウエディングドレスのベール……。新婚ホヤホヤのカップルが、結婚式を抜け出して海にやってきた感じですね。もしくは、女性の結婚式を妨害した男性が彼女を攫って逃避行をしたというドラマかもしれません。いずれにしても、2人は海岸に立っているのです。彼らはこれから何をするのでしょうか?
息を呑んで見守っていると、なんと、男女は砂浜から海水に入っていくではないですか?
純白のドレスは海水でビショビショ、光沢ある化繊生地は波に揉まれて濡れ濡れ……。水分を布地が女性の体にまとわりつき、プロポーション抜群のラインをいっそう際立たせます。普通の男性なら女体の方に目が釘付けになるのでしょう。しかし、衣服フェチの私は、波に洗われるウエディングドレスばかりが気になりました。女性がグッチョリ濡れる様子をカメラマンが追いかけて撮影します。

さて、動画はまだまだ続きます。彼女は砂浜に寝ころびました。白い布地に砂が付着するのも気にせず……。しかし、ドレスの汚れは海水が洗い流してくれます。彼女の全身が波に飲まれ、まるで人魚のような美しさを見せてくれます。ウエディングドレスを纏った人魚が水遊びし、彼女の処女の証しは海水と砂とでドロドロ……。
そんな彼女をお姫様抱っこする男性――。彼もまたずぶ濡れになりながら、愛しの女性に寄り添うのでした。最後に岩の上に2人で腰かけている写真はとてもロマンチックです。人魚が人間の男性との恋を成就させたものの、魔法の期限が切れて、「もう私、帰らなければいけないの……」と男性に話しているかのようです。おとぎ話のワンシーンが私の頭の中で再現されましたが、それと同時に、子どもの頃に妄想していたずぶ濡れドレスの記憶も蘇ってしまいました。幼い私は、絵本を読みながらも、衣服が汚れることばかり考えていたんですよね(笑)
本来は結婚式場を優雅に歩くはずのウエディングドレスが、写真撮影のために海水を浴びせられ、もう二度と着用できない状態になってしまいました。私は美しいドレスが汚されていく写真を眺めて一人でムラムラしていました。



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